第1話:奇声の正体

まるヤスと子豚のチャッピーの毎日

毎朝の電車通勤、あのぎゅうぎゅう詰めの満員電車の中で、まるヤスはいつも同じことを考える。

「…いる。あの『クッチャーノ』がいる。」

『クッチャーノ』とは、まるヤスが密かに付けたあだ名だ。口を閉じずに食事をする同僚、田中だ。まるヤスは彼の前ではにこやかに挨拶するが、心の中では「クッチャーノ」と呼びながらひそかにストレスをため込んでいる。

会社では無難に一日を乗り切るが、帰宅後のまるヤスは別人になる。スーツを脱ぎ捨て、部屋着に着替えると、鏡の前で突然叫ぶ。

「ウオォォォォ!!」

その後、意味不明な踊りを踊り出す。

「ウッ、ウッ、ウエアーー!」

ひとしきり暴れた後、ふと視線を感じて振り返ると、そこには子豚のチャッピーがじっと見つめていた。

「またやったの?まるヤス。」

「チャッピー、違うんだ。これは、発散なんだ…!さっき『クッチャーノ』が…」

「クッチャーノって、また勝手にあだ名つけてるの?それじゃあストレスたまるだけだよ?」

チャッピーは、いつもまるヤスを優しく諭してくれる。今日もその純粋な瞳で、まるヤスの心の奥に染み渡るような言葉をかける。

「まるヤス、ストレス溜まるのはわかるけど、奇声をあげるのはやめた方がいいよ。近所の人、心配しちゃうよ?」

「うう…わかってるよ。でも、あの田中がさ…」

「それなら、明日からはお昼休みに僕と話しなよ。ストレスも少しは軽くなるんじゃない?」

「チャッピー、ありがとう…。って、君は結局お腹が空いてるだけでしょ?」

「まあね。でも、まるヤスが元気でいてくれた方がごはんも美味しくなるんだ!」

そんな二人の日常が、今日も続いていく。

<strong>次回予告</strong>
次回予告

次回予告:「新たなる敵、『パソツヤさん』登場!」次回、まるヤスの前に現れたのは、パソコン画面を必要以上にツヤツヤに拭いている同僚、『パソツヤさん』。果たしてまるヤスは、この新たなあだ名で乗り切れるのか?そして、チャッピーの対策は?

    この漫画はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。


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