今日はいつもと違う一日が始まった。まるヤスは朝から大事な会議の準備に追われている。しかも今日は、サンマーメン先輩と一緒にランチをする約束をしていた。
「チャッピー、今日は大事な日だ。サンマーメン先輩とランチだから、ちょっとお行儀よく頼むぞ。」
「わかってるよ。でも、サンマーメン先輩って名前、いつ聞いてもお腹空くんだよね…。」
「そこは同感だが、今日は暴走しないでくれよ?」
「まるヤス、僕がいつ暴走した?今日こそは落ち着いてるから!」
そんなやり取りをしているうちに、時間が来てしまい、まるヤスはチャッピーを家に残して出発した。
昼休み、サンマーメン先輩と共にラーメン屋に向かったまるヤス。店に入ると、サンマーメン先輩は笑顔で言った。
「まるヤスくん、今日は僕のおごりだよ。好きなだけ食べてくれ。」
「ありがとうございます、先輩!」
まるヤスは感謝しつつ、いつものサンマーメンを頼もうとしたが、ふとチャッピーの言葉が頭をよぎる。
「そういえば、チャッピーにもサンマーメンの話をしたらすごく興味を持ってたんだよな…。ちょっと多めに注文して、持ち帰りにしようかな。」
まるヤスは結局、大盛りのサンマーメンとギョーザを注文し、食べきれなかった分は持ち帰りに包んでもらった。
サンマーメン先輩は笑顔で、まるヤスの行動を見ていた。
「まるヤスくん、君は本当に優しいね。家族のために持ち帰るなんて。」
「いや、まあ、家族みたいな存在がいまして…チャッピーって言うんですけど。」
「チャッピー?家族の名前か、かわいいね。」
まるヤスは、まさかチャッピーが子豚で、しかも人間の言葉を話せるとは言えず、曖昧に笑ってごまかした。
帰宅すると、チャッピーがソファでゴロゴロしていた。
「おかえり、まるヤス!サンマーメン先輩とのランチはどうだった?」
「いや、楽しかったよ。それより、今日は君のためにサンマーメンを持ち帰ったんだ。食べてみるか?」
「マジで!?まるヤス、最高だね!」
興奮したチャッピーは、大きなサンマーメンの器に飛びつくように食べ始めた。
「うおお、これがサンマーメンか!うまい!麺がツルツルしてるし、野菜もたっぷり!まるヤス、これから毎回サンマーメン頼んでよ!」
「いや、そんなに毎回は無理だろう…。」
しかし、チャッピーの暴走はここからだった。サンマーメンを食べ終わったチャッピーは、興奮したのかテンションが急上昇。
「まるヤス、サンマーメン先輩に直接会って、お礼言いたいな!今から行こうよ!」
「は!?いやいや、さすがに無理だって!チャッピー、お前が人間じゃないこと、バレたら大変なんだぞ!」
「そんなの関係ない!サンマーメン先輩、絶対喜ぶって!ほら、行くぞ!」
まるヤスが止める暇もなく、チャッピーは玄関へ猛ダッシュ。小さな子豚が家から飛び出していく姿は、あまりにもシュールだった。
「待てって!落ち着け、チャッピー!」
数分後、まるヤスはチャッピーを連れて再びサンマーメン先輩のいるラーメン屋へ。何とかチャッピーを袋に入れて、先輩には見えないように隠す作戦を決行。
店に着くと、サンマーメン先輩が驚いた様子で迎えてくれた。
「まるヤスくん、また来たのか?今日のお昼に食べたばかりなのに!」
「い、いや、ちょっと…急にサンマーメンが恋しくなりまして…。」
隠しきれない緊張感の中、袋の中からチャッピーの声が漏れてきた。
「まるヤス、早くお礼言わせてよ!」
「ちょ、静かにしろって!」
「何か聞こえた?」
「い、いや、何も!」
そんなやり取りを必死に繰り返すまるヤス。何とかサンマーメン先輩にはバレずにその場を切り抜けたが、袋の中ではチャッピーが不満そうにしていた。
「まるヤス、サンマーメン先輩に直接会えなかったじゃん…。」
「君が暴走するからだろう…。もう少し落ち着いてくれよ…。」
「わかった、次はもっとスマートにやるよ!」
「次はない!」
次回予告:「まるヤス、夢の中で奇妙なダンス」
まるヤスは夢の中で奇妙なダンスを踊ることに…!?夢の中で出会う謎のキャラ、そしてチャッピーはどう絡む?
この漫画はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
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